メイキング「風船チャチャチャ」メイキング「風船チャクチャク」メイキング「風船で遊ぼう」へ
----- それいけ!! おうちで本作り -----

これは、Baoの本「風船チャチャチャ」を出版しようということで集まった、
Junさん・Bao・Rioの三人が、本を作って行く様子をレポートしています。
主にRioがジタバタしているのをリアルタイムで載せている、と言った方が事実に近いかも・・・。
なお、えらーく長文です。初めて読む方は覚悟してください。

***このサイトの全ての画像、表現の無断転用を禁止します***

2004.09.09それは雑談から始まった・・・
思い起こせば2004年2月、板橋のナランハにバルーンエプロンを買いに行ったRioは、せっかく来たのだから、と風船のビデオや、何種類かの商品を見せてもらっていました。そこへ店の奥から出てきた男性に「風船、やってらっしゃるんですか?」とたずねられ「は、はい、まあ少々・・(そりゃ1万円近くしてしまうバルーンエプロン、何もしていない人は買わないわー)風船のよもやま話で盛り上がった後、当時計画中のツイスターズ2004の話を聞いて、そうなんだー、そんな計画があるんだと思っていると「お名前うかがってもいいですか?」「ホームページは、出していらっしゃいます?」「えーっと、は、はい。(しどろもどろ)」

それがJunさんとの出会いでした。後で聞いた話では「お店に来てくださるお客さんにそうそう声はかけませんよ。ましてお名前やホームページの事までお聞きしてしまった方は始めてでしたね」ひーん。その辺を歩いていても、よく道を聞かれてしまうRio、勧誘されやすいタイプなんでしょうか?

その後、怒濤のようにツイスターズの計画が進み、大盛り上がりで終了。その後は次の大阪に向けての打ち合わせetc.でJunさんが9月9日にBao宅来訪。そこへ混ざったRioが、今はもう廃版になってしまった「風船芸レターズ」(Baoがかつて発送していた、幻の風船作品解説リーフレット)を、話のタネにJunさんにお見せしました。すると「こういうの、本にすると皆さんに喜ばれますよね」とJunさん。あはは、出版ですかー、いいですねー。などとその場は雑談で終わりました。

しっかーし、単なる雑談・冗談では話を終わらせない真面目なJunさん(^^;)、次回にお会いした時も「本、出しましょうよ」「すごーい!! Bao、がんばってね」(Rio) 「Rioさんががんばるんですよ」(Junさん) 「え゛?」(Rio)
ただのホームページ管理人に、いったい何をしろと、何をがんばれとおっしゃるのでありましょう??

2004.11.25家内制手工業の黎明(れいめい)
版権の確認等、ある程度のメドがたった11月、今度はJunさんがBaoと共にRio宅へ。作り方の解説文・風船の写真撮影 ・ 本のレイアウト等のもろもろをRio宅でやらせていただけるのだそうです。マ、マジで?(@o@)。要は経費削減。全部をプロに頼んで作ると、本の価格が跳ね上がってしまうので、できることは自分たちでやってしまいましょう。自前でやるのなら妥協せず、最上の物を狙いましょうということです。これって、たとえはヘンですが内職のような、ええっと家内制手工業的出版といいましょうか、おうちで本作りしちゃうぞーみたいなものなんでしょうか。DTP(デスクトップパブリッシング)ぢゃなくてHP(ホームパブリッシング)? 簡便な素人作業のレベルでなら、ホームページ作成でやっていることも多いですから、できなくはないでしょう。ででで、でも、出版に耐えるクオリティなんて、私に出せるのでしょうか・・。

打ち合わせの中で、本のタイトルは「風船チャチャチャ」なんてどうです? とBaoが冗談半分に言い出すと、どぉーも「チャチャチャ」という言葉が、残り2名の頭の中で木霊(こだま)してしまいました。そうこうするうちに「チャチャチャいいかも。一度聞いたら忘れないし」とか、洗脳された発言が出はじめます。打ち合わせ後半には「風船チャチャチャで行きましょう」
チャチャチャって・・・ほんとーですかー。ほんとにやっちゃいますよー。しらないよー(笑)。

話はさらにトントンと進んで、風船撮影用にデジタル一眼レフカメラをお借りすることに。実は、手持ちのデジカメが老朽化してきたのでそろそろ買い替え時かと、もう少しでNikonD70というデジタル一眼を買いそうになっていたのです。そこへCanonEOS 20Dというお高いカメラをお借りすることになってしまいました。えらいこっちゃー!! これまでは、銀塩の一眼だってAFモードでとぉーっても適当にしか使っていませんでしたのよ。これってEOS Kissデジタルより全然上の機種じゃん。私に使いこなせるのでしょうか(^^;)。

動き始めると、話はジェットコースターのように進みます。その日のうちに背景紙・照明等の買い出し。「もしかして必要になるかもしれません、これも買っておきましょう」そ、そんな・・。私、そういう買い方は100円ショップでしかしたこと無いですよぉぉ。「どうやって止めようかと思った」というのは、私が時々友人に言われるセリフです。でもこの日は「この流れをどこで止めようか」と私の方が思いました(笑)。走りながら考える、または考える以前に走り出す。うーん、このチーム、みんな同じにおいがするのかも。二週間後には次の編集会議ということで、それまでにRioはデジタル一眼を、ある程度使いこなさなければなりません。

2004.11.26.こたつやら、脚立やら、
とりあえず何か作品を撮ってみよう。Baoに試作チャーリーブラウンを借り、ミニ版スヌーピーも追加で作ってもらいました。知人の写真家SさんにS.O.S.を出してアドバイスをもらうと「背景(壁)に影が出来るのはシロウト写真。背景から間隔を取って被写体を置くこと。光源は直接当てずにデフューズした方がいいよ」ライトの前にトレーシングペーパーをたらして、やさしい光にします。この時は何も考えず、家のこたつやぐらや脚立を使ってトレーシングペーパーを垂らし、なんとか撮影。私の腕はさておき、ディテールまでの表現力を持ったデジタル一眼の画像にびっくりしました。すごーい。ヘタなことはできないな。

2004.12.01.あきれて固まるBao
トレーシングペーパーをそれなりにセットすること。背景紙をちゃんと固定できること。できれば上からの光源もちゃんと当たるようにしたい。うーん、こたつやぐらではちと寂しいぞ。作っている最中の画像をたくさん撮ろうとしているんだから、Baoごとすっぽり入れる大きさがいいよね。手持ちのデコレーション機材(風船を飾る時に使っている道具)を使って、なんとかならないかな?ベース(鉄製の台)とポール(アルミの棒)はある程度の数を持っている、と。要はそれを四角く組めればいいんでしょ。毎回結束を使って組むのもややこしいから、何か繰り返し使えるジョイント部品があればいいかな・・・。

あとは露出も少しお勉強。図書館に走ってとりあえず写真関係の本を10冊ほど借り、ホームセンターめぐりで部品探し。銀座のフォトサロンに写真展を見に行く。日常をこなしながらこんなことしてました。
バシャバシャ撮って、カメラに慣れていけばいいものを、どうも外堀から攻めたくなるややこしい性格(^^;)。日はどんどん過ぎていく。。。
やっと部品を見つけて建築現場の足場みたいなセットを組み、Baoに風船を作ってもらうことにしました。組んだ足場を見た瞬間のBao「うっ(^^;)・・・・」なんだかあきれて固まっているようです。え?そんなにヘン?? フォトキューブのでっかいの、作りたかっただけなんだけど。。。
まず習うより慣れろだよねと、クリスマスセットを作っている所をバシャバシャ撮らせてもらいました。結果は悲惨な露出不足。うーむ、へたくそー。最後のジオラマセットだけ露出補正をかけまくってセーフでしたが、まあぁぁ、アンダーのなんのってもう。制作途中を写した暗い画像はSさんに教えてもらったレタッチでしのぎ、なんとかホームページにアップしました。いやはや前途多難です。

2004.12.06.下手な鉄砲も数打ちゃ当たる?のか?
こうなれば設定を変えて枚数を撮りまくり、データを蓄積するしかありません。お仕事の合間のBaoを捕まえてまたまた撮影。パソコンとカメラを直結して、撮影画像をハードディスクに保存するはずが、あれれ?途中からのファイルが無い・・。カメラがビジー状態になった時があって、そこから後の通信がとどこおったようです。びぇーん、まだまだ続く前途多難。データ蓄積以前に撮れてないぞー。そうこうするうちに次回の編集会議は迫っています・・・。

2004.12.09.やはりモノを言うライティング
編集会議第二回目。この日までに表紙の原案と目次作成。表紙はBaoが「おやじワールド炸裂」の絵を描いてくれました(これは色鉛筆で描いた下書きで、正式な表紙はペイントソフトで描き直しています)。Rioはカメラに慣れておくこと。この宿題はなかなか達成できていません。

当日、初めて足場セットを見たJunさんも「うおっ・・・」Baoほどではありませんが半分固まっていました(^^;)。上からのライトは固定方法が見つからず、ガムテープで支柱をひっつけているお粗末さ。ライトは撮影中とても熱くなるため「もし頭に落ちたらやけどかもよ」「うへー、ヘルメットかぶって作ろうかな」などというBaoRioのチープな会話に耐えられなかったのか、この体積を照らすのに2灯ではいかんと判断なさったか「ライト増やしましょう。固定するクリップも買ってきます」(カメラ専門店に走るJunさん)。

午後、たちまち増えたライトでブレーカーを落としながらも(笑)撮影すると、んまぁ明るいこと、綺麗なこと。やっぱりライティングなのねぇと腕はそっちのけで感心するRioでした。「Rioがいちばん楽しそうだね」(Bao)。いやいやそんな、人のふんどしで楽しんでどーする。うっひっひ。

次のRioの宿題はこの画像を使ってページレイアウトの原案を作ること。画像もまだ満足に撮れないのに宿題はどんどん増える一方です。「長い旅になりそうですね」(Junさん)。さて、この本、いつになったら出版にこぎつけられるのでしょうか?

2004.12.22.乖離(かいり)
あと少しでレイアウト下案の締め切り日です。自己流でソフトと格闘するRio。納得できるレイアウトとは全然言えないけれど、とにかく締め切りまでに何か1つでも作っておかなくては・・。

これまでの出力経験といえば、RIPを経由したリソグラフやらレーザープリンタどまり。 きゃーっ、商業印刷って何するの?モリサワのフォントはいらないの?と、 無知と無駄知識のみが混在するRioの頭の中は、ぐっちゃぐちゃです。 こうなれば、センスの無さを人に頼ってカバーしようじゃあーりませんか。 さっそくBaoに「絵をいっぱい描いてー」と懇願。 そこは似顔絵描きのBao、風船の解説画像以外にも、BaoRioのキャラクターをいろいろなポーズで描いてくれました。 Baoはともかく、Rioと実物とはかなり乖離していないでしょうか??(^^;) 「イラストはイメージです」と小さく載せておこうか(Bao)、とか「昔はこうだったんだよ」と言えばいいんじゃない?(Junさん)とか。 いやいや、そーゆー問題じゃ無い気がするんだけど。。。。。

2004.12.24.飛脚のRio
世の中はクリスマス一色。やっつけ仕事で1つ下案ができたので、添付書類でBaoに送ろうとしたRioは あまりのファイルの重さにびっくり。そりゃそうです、画像の数がたくさんで、しかも印刷用に高画質の物を貼り付けてしまいました。 こんなの送れないわ。そうだ!!、PDFにしたら圧縮されてサイズダウンになるかな? 何を間違えたか、出来上がったPDFは元ファイルの容量を遙かに超え、300MB(^^;)。うぉぉっ。なんじゃそりゃ。

あ、ご近所なんだから、あれこれやっている間に持っていっちゃえばいいんだよね。早速プリントアウトして、チャリを漕いでBao宅へ走るRio。 この光ファイバーの時代に、通信手段は「飛脚」であります。 お届けした時の雑談で『何でもサンタ計画』ってのもいいんじゃない?とか、内容についてのお話ができたのでよしとしましょうか。こうして、通信回線よりもRioの足の方がどんどん太くなる???のでした。

2004.12.27.これじゃあねぇ
ろくなアイデアもセンスも無いまま、貧相なレイアウトで作ってしまったけれど、これをたたき台にして皆さんのご意見を吸収しちゃいましょう。Junさんにアドバイスをもらい、ナランハのバルーン担当Oさんにも感想と意見をもらい、おおっ、わずかに光が見えてきました。それと、もっとBaoに活躍してもらった方がいいよね。いろんな才能あるんだし。12月はクリスマスのデコレーションもあり、年末年始の準備もありの中での作業。ほんっっとに時間が経つのが速かったです。

2005.01.13.物欲の嵐
年末年始、Rioがメインで使っているパソコンが不調。1台はCDを認識せず、1台はCDを焼けなくなる。インターネットにつながらなくなる。あちらもこちらもぐちゃぐちゃです。2台とも保証期間はとっくに過ぎている。重いソフトを動かすのには力不足だったこともあり、この状況にブチ切れたこともあり、お正月休みが明けた頃、秋葉へ出かけて行ってデスクトップを1台即買い。メモリも2ギガ積んでしまいました。手狭な机用にトラックボールという、マウスに代わる物も購入。もーぉこうなったら勢いがついちゃってます。Rioにとって、パソコンというのは実用的な機械ではなくておもちゃです。おもちゃを買うために積み立てもしてきたし、あと1台、安いノートパソコンも買うと言ってBaoにとめられました(^^;)。前回環境を全取っ替えした時は、当時ハイエンドマシンと言われていたノートのハードディスクを換装・メモリを積み増しした上に、古いパソコンまで入れて無線LANを組んでしまったので、けっこうそれなりの出費だったのです。「このスペックでこの値段。ほんと安くなったよねー」としきりに感心するRioに、あきれるBaoとJunさんでした。

2005.01.28.スキル不足
レイアウト下案の作業がすすむにつれ、わかってきたことがあります。それはRioのソフトを使いこなすためのスキルが、圧倒的に不足しているということです。かっきりしたなんの変哲もない構成ならまだしも、遊び心があって、Baoの才能と風船の魅力を生かしたセンスあるレイアウトなんぞ、この程度の実力でできるわけがなかったのです。それはたとえば、今日初めて包丁を握った小学生が、おフランス料理のフルコースとか万漢全席とかを作ろうとしているぐらい無謀なことであったのだー(^^;)。まして求められているのは定番の料理ではなくて、創作料理です。やっばーい。ノリで引き受けちゃったけど、ちょっと無理があったかなー。

しかも、Baoにたくさんの手書きイラストを描いてもらいました。これをスキャナで読み込んで、ゴミ取りをして、実際使えるデータとして加工するという作業は、私程度の実力ではかなりの根気が必要です。淡い色でグラデーションが付いていたり、ハサミなんぞは持ち手が蚊取り線香のようにぐるぐる。その上淡いブルーで隠れた色も付いています。紙の白というのはパソコンには通用しないので、画像は全部輪郭で切り抜いて、背景は透明にしておかないと重ねて使った時に角が白く残ります。「マグネット選択ツール」も「自動選択ツール」もこの手の画像が一番苦手。どこまでの色を拾うのか、目で判断しての手作業が多くなります。

それでも少しずつ作業を進めて全体を見てもらうと「やっぱりここはこうした方がいいね」とか「ここは書き換えましょう」とかいろいろな提案が出てきます。Baoもどんどん筆がすすんで、イラストもよりレベルの高い物に差し替えられていきます。それはすごくすごく嬉しいことなのですが、細密画をピクセル単位で選択していくような作業でデータを作っても、あっさり次のもっといい物が出てきて作業のやり直し。築かれるボツの山。Rioが少々疲れてきました。発想もやや落ち込みがち。つい愚痴っぽいメールをBaoに送ると「無駄な努力なんて事は一切ないんだよ」とやさしく諭していただきました。いや、、、落ち込んだ原因はBaoの「蚊取り線香ぐるぐる」のせいなんですけど、、、全然気づいてないよね?

2005.02.02.下案完成
「勘とハッタリで突っ走るぞー!!」と「私はなんて無謀な事をお引き受けしたのでしょう」の間で揺れながらも、カメのように作業は進み、下案ができました。
JunさんもBaoも絶賛してくださいました。「ここはこうしてみたほうが映えますよね」と何点かのアドバイスも出ました。そこはJunさん、急所を一発で突いてきます(笑)。撮影の予定も立ちました。さあ、カメはここから加速できるのでしょうか、、、乞うご期待。

2005.02.08.撮影スタート
撮影初日。アンパンマンキャラからのスタートです。愛娘のアンパンマン好きに影響されて、アンパンマンキャラが大好きなJunさん。この熱い要望にお応えしてBaoも続々と風船を開発。しょくぱんまんさまの顔なんて逆立ちしても作れないわ、などと尻込みするRioをほったらかして2人はどんどん進んでいました(笑)。実は、何種類ものキャラクターを縮尺を合わせて作るのは、とてもむずかしいことなのです。こういう形はこの大きさでしか作れない、という物理的な制約もあります。そんな高いハードルをものともせず、この日は8体ものフィギュアを一気に制作。全員の集合写真まで撮ってしまいました。

撮影枚数もゆうに500枚を超えていました(^^;)うーん、ちょっと飛ばしすぎですねー。って「こうなったら全員の集合写真が撮りたい」と途中からノリノリになってBaoをけしかけたのはRioなんです。反省。明日から少し余裕を持ってのぞみましょうね。(後日注・その後、アンパンマンについては版権を管理している会社から『8体はちょっと・・』とクレームが付き、現在交渉中です。Bao作品を見慣れているRioが見ても、鳥肌が立つほどの完成度だっただけにとっても残念です。どなたか版権に詳しい方、もしくはやなせたかしさんに強力なコネのある方、助け船を出してくださいましm(__)m)

ランチの合間にピアノやギターでセッションも聞かせてくれた2人。この人たちの教養(芸?)の広さと深さには舌を巻きます。先日はパズルの話で盛り上がりまくっていました(^^;)。遊びやせむとて生まれけむ・・・。

2005.02.09.4日では無理
撮影2日目。この日は版権のクリアできた別のキャラクターや、季節ネタの一部を撮影。何種類かを揃えたジオラマを撮影し始めると、もう嬉しくて歯止めがきかなくなってしまいます。あぶないあぶない。「4日ぐらいで撮りきることを目標にがんばりましょう」と豪語していたJunさんも「4日では無理ですね(^^;)」と目標を修正していました。たはは。初日からの合計で、撮影枚数も千枚超えてます。うわーお。

2005.02.16.フードコーディネーター?
撮影5日目。食べ物ネタに入って来ています。できあがりの風船をただ並べて撮るより、小物を使って遊んじゃおう。いかゲソはやっぱり風情のあるお皿に盛りたいよね。横に小さい七輪、網なんかが乗っててさー、おちょこも並べて・・・。お寿司には魚へんの漢字がたくさんついた湯飲みがいいんじゃない?
そりゃ、いいですけど予算と時間は大丈夫なんでしょうか?「凝る」とか「遊び心」とかの単語にめっぽう弱いこの3人、やっちゃいましたー(^^;)。いかゲソをのせた土物の長皿は種子島の能野焼(よきのやき)という素敵なお皿を、1日だけお借りして来て撮影。小さい七輪や炭は、100円ショップを短時間でハシゴして調達してきました。いまどきの100円ショップは無敵ですね、びっくりです。
ケーキの周りのカップ・ポット・お皿はRio宅の普段使っている物。袱紗、茶杓、棗も食器棚から引っ張り出します。せっかくの一眼レフ、ボケ味も出して撮りましょう。ということで、三者交代で這いつくばって被写体に迫っております。あれこれ作っている最中の、この時間が一番楽しいのかもしれません。

2005.02.18.大物撮影
通算6日目。さすがに撮影も後半になってきました。今日は幅2メートル70センチの背景紙を天井から垂らして大物の撮影。Rio宅はばっちり狭いので、この背景紙設置はぎりぎりです。ドアも何もかもふさがってます。取り忘れた風船を奥の部屋へ調達しに出かけたRioは、絨毯のように敷いてある背景紙の下ををずるずると這って行ってきました。その姿はほとんどつぶれたカエル?こんな動きは学生の頃、運動会で障害物競走やって以来ですわ(^^;)。移動しやすいように、紙を持ち上げてくれていたBaoとJunさんは「あ、這いつくぱるRioをデジカメで写すんだった」。撮らんでいいわっ。ランチもこのごしゃごしゃの中、恐竜と一緒にいただいとります。光源の前に垂らしたトレペはライトに近すぎて焦げておりました。きゃーっ!!あぶない。ボヤ出す前に撮り終えましょうね。

2005.02.25.撮影(とりあえず)終了
通算10日目。今週はメンバーの予定がけっこう合って、毎日撮影できました。すんばらしい。「足場セット」を組むのもバラすのも、皆手際がよくなってきました。いろいろな事が上達するものです(笑)
今日で計画していたネタは全部撮り終えました。朝集合してほぼ夕方まで、JunさんとRioと交代で作る手順を撮り、完成写真を撮り、背景紙を替えたり小物を工夫したり、いやーめっちゃくちゃ楽しかったです。Baoはほとんど作りっぱなし。タフですねー。撮影期間中にはRioの友達が見学に来たり、Baoの知人が打ち合わせに来たり、そのついでにJunさんとも仕事の話をしてしまったり(笑)と、いろいろな人が来てくれました。なんだか撮影が終わってしまうのがさみしいね、なんて言いながらの解散前「あ゛ーっ、あの画像撮っておくの、忘れたっ!!」ま、オチというのはたいていこんなもんです(^^;)

これからこのパターンがたくさん出て来るだろうから「撮り忘れリスト」を作って、貯まった頃に再撮影ですな。

さて、掲載作品の中にはRioが考案したネタもあります。「原則としてその作者が作る」という掟に従い、Rioが作ってBaoが撮るという場面もありました。「手の画像が違って来ちゃう」と反対するRioに、JunさんもBaoも「誰も手は見ません。風船を見ます」はい、ごもっともです。本の中で、あまり毛の生えていない(^^;)腕が写っていたら、それはRioのでーす。あ、誰も腕なんて見ませんね、はい。

実はこれからの作業がたいへんです。累計撮影枚数約3,300枚。画像の取捨選択・トリミング・キャプションの再考etc,etc・・。各人本業もあるのでどれだけ平行して作業ができるかです。Junさんは普段から5人分ぐらいの仕事を抱えています(^^;)。Baoもパフォーマンスや似顔絵の仕事がコンスタントに入っているし、Rioは明日から3月始めまで、別のお仕事が入ってしまいました。後はスケジュールを調整しながらの編集作業です。まだ、発売予定日も定かではありませんが、皆さん応援してやってくださいまし。

このコーナーもネタが発生し次第、順次書き加えて行くつもりです。編集作業でも、しょっちゅう大ボケネタが発生しそうで怖い(^^;)・・・。

2005.04.14.加速するBao
このメイキングチャチャチャの「スキル不足」の所で、Rioが「紙に描いたイラストは、読み込んで加工するのが大変」とボヤいていました。それを読んだBaoが不憫に思ってくれて、デジタル化が実現しました。Rio宅で使えなくなったペンタブレットを引き取り、手描きのイラストを全部ペイントソフトで描き直してくれると言うのです。例のハサミもさっそく描きかえて送ってくれました。デジタルでもしぶとくぐるぐるしてますね(笑)。これなら輪郭を切り取るのもほんの数秒ですんで、Rioは飛躍的に楽になりました。いやぁ、愚痴は大声で言ってみるものです。

逆に、紙にささっと描くのとは違ってBaoの手間はかなり増えてしまいした。禍福はあざなえる縄のごとし(^^;)。でも、もともと風船芸レターズの第1号から30号までは、ペイントソフトで描いたイラストも文章も全部Bao一人で作っていたのです。ソフトの種類や、白黒・カラーの差などはありますが、タブレット作画の基礎は何年も前からできています。で、昔取った杵柄と申しましょうか、Bao筆を選ばずと言いましょうか『ペイントソフトで描くのもおもしろいねー』などと、とっても前向きなコメントを入れつつ、ラフな下書きから本腰を入れて描いた物まで、メールとともにどしどしRio宅に送られてきます。あ、あれ気に入らないから描き直した。こっちと差し替えて。なんて、すごい時には1日に3便も4便もイラストが到着。うーむ、加速してるー。しかもめきめきと腕をあげてきます。転んでもタダでは起きない、じゃなかった(^^;)時間をかければかけただけの実力を付けてくる。恐るべし、プロの似顔絵描き。表紙も裏表紙・背表紙も、そして「はじめにお読みください」のイラスト満載の2ページも、端から見ればすらすらと(?)描き上げてしまいました。
Bao宅はケーブル、Rio宅は光ファイバー、使い放題通信環境の恩恵を充分に利用して、作業は進んで行くのでした。

Rioの方は・・・諸事情で作業が迷走し、トリミングがまだまだ終わりません。とほほ。これからBaoに負けないように加速するぞぉー。

2005.06.09.一歩及ばず
2月末に撮影が終了しました。3、300枚の画像の取捨選択・説明を考えながらのトリミング・切れた背景をつなぎ合わせたりetc.の画像加工・1つの作品に最高で160コマにも及んだ、画像配置しての説明やレイアウト、Rioの自宅パソコンでほそぼそとやってきました。Baoはたくさんのイラストや表紙・背表紙・裏表紙も担当。さすがに紙を漉いたり、インクを調合したり、糸で綴じたりなんて事まではやっていませんが(笑)かなーりBaoRio手作りの本となっております。

さらに「もしかして、ツイスターズに間に合うかも?」と、ラストスパートをかけ始めてから約3週間、途中からはナランハスタッフが、私が作った版下を見ながら実際に風船をひねり、作った感想をフィードバックしてくれました。それを見ながら、何度も説明文の見直し。困った時のBao頼みで、ばしばしとイラストを描いてもらってしのぐ・・・などという裏技を駆使しつつ、Rio的にはここに来て8・9割はできてきたかな?と思っていました。

しっかーし、ナメてはいけない商業出版。お金を払って買っていただく商品にするには、どうもまだまだだったようです。うーん、オーダーメードにたとえればまだ「仮縫い」の段階なんですかねぇ。私はもう仕上げのアイロンまで行ったかと思っていましたが・・甘かった。そして、Junさんが発注した仕上げ用の最速高性能パソコンが、レンタル業者さんの手配忘れで来なくなったり、etc.etc.という、お約束のてんこ盛りアクシデント。しかもこの業者さん、手配忘れをすぐに言わない、あやまらない。やってくれるぢゃん。くらぁ。Junさんもこの件に関してはかなりムッとしていましたね。

そんな逆境にもメゲず、総力を挙げてがんばりましたが、たぶんツイスターズに間に合いません。もう少し時間を取って完成度を上げ、きちんとした品質にしてから印刷に入りたいと思います。応援メールをくださった方、楽しみにしてくださっていた皆さん、ごめんなさい。Rioもとっても残念です。ツイスターズで、せめて版下の校了版ぐらいはお見せしたいので、さらにがんばります。一段落したら、楽しかったエピソードもたくさんたくさんこのメイキングに載せましょう。でも、とりあえず今日は寝かせて・・zzz。

2005.07.17.データ送付
ようやく全部のデータをDVDに焼いて発送、Rioのパソコンでの作業は一段落しました。いいかげんに区切りをつけないと、細かい所をいつまでもいじりたくなるので、送ってしまってすごく肩の荷が下りた感じがします。

100ページを超える本を自分たちで作るという作業は、BaoもRioも初めての体験でした。めっちゃくちゃおもしろかったけれど、仕事の合間に片手間でこなすというより、いつも頭のどこかに本の事がある状態でした。特に、ツイスターズに間に合わせようとスパートをかけていた時期は、たとえば初恋の時に相手のことで頭がいっぱいになる、なーんてのよりもっと強烈に頭の中を占めていて、なんというかもう、いっぱいいっぱいでした。Rioの初恋以上にスイートなチャチャチャ、出来上がったら、どうぞ手に取って見てみてくださいね。

では「いつごろ発売になるんでしょうか?」という事ですが、まだわかりません(^^;)。Rioは途中からソフトを変更して、印刷会社が直接作業できないデータを作ってしまったため、ナランハスタッフが別のソフトに置き換える、いわば翻訳作業をしてくださってから印刷に回します。その後内容の校正、色の校正等を経て本刷りに入りますが、Junさんいわく「まだまだ長い旅」なんだそうです。もう私の手を離れて旅をしているチャチャチャは、なんとか涼しくなる前に出て欲しいなと思います。

さて、Rioが途中からソフトを変えた話とか、あれこれのいきさつがたくさんあります。パソコンのお片づけもしながらこのあとぼちぼちアップしていきますね。

2005.08.13.Rio迷走を振り返る その1 三歩進んで二歩さがる
先日、ようやくRioの作業は一段落しました。スタートからここまでがたとえば直線で10kmだったとして、Rioは軽くフルマラソンぐらいの距離をうろうろ迷走したように思います。その原因は3人の忙しさであり、BaoRioの常識と一般常識とのズレであり(笑)、なおかつRioの圧倒的なスキル不足と、勘とハッタリ・出たとこ勝負の性格だったように思います。

当初、このお話をいただいた時のBaoRioは商業出版の認識が砂糖菓子のように甘く、旧風船芸レターズやホームページ(ファンサイト)の延長上でまとめればすぐにできるものだと思っておりました。撮った画像は何の疑問も無く真四角に切り取り、文章もホームページに載せてあるものを多少改良すればすむと考えていたのです。「見開きで1作品が作れるように解説しようか」(Bao)、「あ、いいね」(Rio)なんてのんきな事を言いながら試作ページを作ると、なんだか画像がぎっしりで窮屈な印象です。JunさんやOさんに見てもらうと「画像は大きくてわかりやすい方がいいですね」「文章はやはり、です・ます調にしたほうが印象がいいです」「見開きで完結はやめて、何コマ使ってもいいですから丁寧に解説した方がいいと思います」「せっかくですから、もっと楽しい感じのページにしましょう」
そうです、お金を出して買っていただくんだからそれなりに作らなくちゃ。横長の画像にトリミングしなおしてゆったり配置、文章も丁寧な言い回しにしてみます。これでまたミーティング。「これだと少し画像の間があいてしまっているんで、もう少し大きいサイズで切り取ってみませんか」「う(^^;)そうですねー」

トリミングは、あらかじめ解像度とサイズを決めて画像を切り取っていく作業ですので、変更があると全部一からやり直しです。しかも、ただまっすぐに切り取るのではなく、わかりやすいように斜めにしたり、時には左右や上下を反転したり、解説を考えながら作業しているため、実はやり直しが続くとキビシイんです。同じ作品でトリミングを2度やり直したので、スタートから途中までを二往復したことになります。うわぉ、たくさん進めておかなくて良かったー(^^;)。しかもこの話にはもう1つオチがついていました。最初のレイアウトはバタ子さんで作ったのですが、版権を管理していらっしゃる所から1冊に載せるキャラクターの数が多すぎるとクレームが付き、バタ子さんはチャチャチャに載ること無くお蔵入りになってしまったのです。ううう残念。フリダシニモドル。

また、チャチャチャのレイアウトやソフトの扱いについて、これまで何冊も本を出したりカタログを作ったりしているJunさんから、たくさんのご指導ご鞭撻があるものだと思っていました。だからこそRioはこの程度の実力でこのお話をお引き受けしたのです。でも、「ここは譲れない」とか「全体としてこんな雰囲気に」という所はどんどん突っ込まれましたが、始めからほとんどRioにまかされた状態でページを作り、皆さんのご意見を頂いて改良、またページを作って見てもらう、という作業の繰り返しで本作りが進んで行きました。何かをデザインしたり、何かを作ったりするとその人なりのクセというか、その人らしさがどうしても出てしまいます。チャチャチャはあくまでBaoRioワールドで完結したい、深く立ち入ってしまってはいけない、という自制心が働いたのでしょう。我慢強く、トロいRioの作業を見守ってくれました。自由にページを作っては改良という繰り返しで、コツというか勘が育ったように思います。

BaoはいつもRioのことを過大評価してくれます。それは何というか「Baoだから」で済むのですが(笑)、まっさかJunさんまでがこれほどRioにまかせてくださるとは・・・。みんなヘンですよ。こんなただの人に何かやらせちゃおうなんて。。。。

2005.08.28.Rio迷走を振り返る その2 ソフト変更
Rioは本を作るソフトを途中から変更しています。

最初の打ち合わせで「どのソフトで作りますか」という話になりました。印刷会社へのデータは、ドローソフトの3代ぐらい前のバージョン形式にして渡すのだそうです。ソフトは日進月歩でどんどん新しいバージョンが出ますが、印刷会社の高価で大がかりな機械は、そうたびたび新しい物に取り替えていけるわけではないので、かなり旧態依然の環境です。ドローソフトはある程度使ったことがありましたから「じゃ、それでやってみましょうか」と何の考えも無く作り始めました。

ところが、これがかなり大変な作業なのだと思い知る事になります。トリミングをやり直すたびに配置のしなおし。解説を丁寧にしようとコマ数を増やせば、そこから後ろは文字から画像の飾りから、全部がズレていきます。1つのページが1ファイルになってしまうので、例えて言うならお弁当のフタを開けた時、ごはんやおかずが小さいフタ付きの容器に入ってずらっと並んでいる状態なのです。おかずを少し動かそうとすると、1つのフタを開けて取り出し、もう1つのフタを開けて入れなくてはなりません。150ページ近くある物を、こんな作業で作って行くのは「ぜぇったいに無理っ!」と、早々に降参し、レイアウトソフトを使わせてもらう事にしました。Rioはこのソフトを使うのは初めてです。例によって解説本を何冊も読みまくって四苦八苦しましたが、お弁当のフタを開けると、すぐにご飯やおかずが見えるので、いくらおかずを増やしてもなんとかなります。これでやり直しが楽になりました。

それにしても、Junさんはこのドローソフトを使って本を作って来たはずです。「どんな魔法を使ってたんですか?」と聞くと、どうもスクリプトとアクション(そして裏技いろいろ)を駆使していたようです。さすが数学科出身。スクリプトというのは、自分のやりたい作業を自動処理してもらうようにプログラムを書いて、パソコンに実行させる方法です。うーん、その手があったか。JavaスクリプトだってコケコケにコケているRioにとっては遥か彼方の世界でした(._.)。早めに降参して正解でしたね。

「こんなデザインのページにしたい」というイメージをソフト上でうまく形にできなくてもがきましたが、いくつか作っていくうちにノリノリになってきました。こうなると暴走を始めるのがRioの常です。作品やグループごとにページデザインを変えてどんどん遊びはじめちゃいます。結果として、良く言えばバラエティに富んだ、厳しい目で見ればかなりバラバラ(^_^;)?のページ展開になりました。
プロに作ってもらったのなら、見栄えのいい統一されたデザインの本になったことでしょう。でも、作者が自分達で作っちゃったものなら、遊び心満載の、勢いがあって楽しそうな本の方がいいんじゃないかと思います。そういう意味では、BaoもRioもJunさんも「たいへんよく遊びました」とハナマルがもらえそうなぐらい凝ってしまいました。解説も、わかりやすさだけを追求するのではなく、少し親しみのある感じにしたり、Baoのコラムやクイズ、4コマ漫画風のページなど盛りだくさん。背景もおもしろがっていろいろと作ってしまったし、ページの数字の両脇にも仕掛けがあります(試し刷りをSHINOさんに見てもらったら『Rioさんやりすぎー』と大ウケでした)。また、最後の作者紹介は、JunさんがBaoRioの2人にしっかり取材してから楽しい文章を書いてくれました。

なので、データができ上がった時の感想は「たいへんだったけど、すんごい面白かったー!」でした。2冊目はこうしましょうよー、と1冊目完成前からいろいろ話すRioに、Junさんが「Rioさん、懲りてませんね(^_^;)」いや、全然。

レイアウトソフトは、作りながら操作を覚えていったので、レイヤーも統一感が無く、建て増しにつぐ建て増しという感じでした。テキストの配置も微妙にズレていたりと詰めが甘く、最後にドローソフトに書き替えて清書してくれたJunさんはたいへん苦労したようです。ごめん。ちょっぴり懲りていたのはJunさんの方だったかもしれませんね(笑)

2005.09.11.Rio迷走を振り返る その3 Baoの常識・Rioの非常識
Rioが解説文を書く時に、今さらびっくりしたというか気付かされた事がたくさんありました。どうもBaoRioの感覚や環境はあまり一般的では無いみたいです。Baoが普通でないのはわかっていたつもりでしたが(笑)、自分もかなり特殊な環境にいて、それが当たり前のように暮らしておりました。自分の事って、わからないものですね。

Rioは某文具メーカーに勤務していた事があるので、文具が好きで自宅にも文具が豊富です。撮影の時にハサミや定規、マーカーなどでちょっとした小山を作っては「次の風船には何色のハサミにするー?」とか言って選んでいると、BaoもJunさんもさぁーっっと引いている!? あれ?
本の中に「チャチャチャクイズ」というのがあります。「使っているハサミの種類はいくつ?」とクイズのネタにされてしまいました。えー、だって風船の色とハサミの色がかぶったら写真が見にくくなるじゃないですかー。ぶぅぅ。

風船も160・260・350・646、ハート、ブラッサム、リンコルーン、ビーバルーン、ラウンドの各サイズ、プリント・・・そういえばけっこう在庫ありますね。ビニールテープも軽く10色ぐらいは揃っている・・こんな一般家庭は無いですかね、やっぱり。
風船を二重にして使う時の仕込みについて「それは針金とかステム(アレンジに使う茎のようなもの)でやっちゃえばいいじゃない?」「ステムは普通の家に無いでしょ。ステムという言葉すら知らない人が多い」「あ、そうか」と、こんな調子です。この辺は、Rioのあたりまえで、いやそれは違うだろうと他の二人が思うことでした。

また、Baoはステージでのショーを基本に考えるので、何の疑問もなくショーでの見栄えとロスのない作り方を優先します。たとえばしょくぱんまんの顔を作る時、スタートから一筆書きのように作っていって、最後に残ったソーセージが、最初に作ったソーセージと全く同じ長さで作り終わる。後はその2本を結び合わせて完成する。途中のいくつかの工程で微妙に空気の量を調整して、二手先、三手先の結果がちゃんとした長さになるように無意識に(?)作っているのです。しかもショーの最中はとぼけたギャグを言いながら瞬時にこの作業をやっています。同じことを誰もができるわけではありません。必ず空気が足りないとか、余ってしまうとかになります。写真を撮ってしまってからRioが「これはまずい」と気付き、解説で一言添えることになりました。

次にBao・Rioのあたりまえで、それは違うとJunさんが思うこともありました。おだいりさまのかんむりを作る時に、まず5cmふくらませて、結び口から2.5cmのボールを2つ作ると、空気がどんどん先に送られるのでもう1つ分のボールが残ります。やればその通りにできるので、するっと解説しているとクレームがつきました。「でも2.5cmと2.5cmで5cmですよね。2つのボールで終わってしまうでしょう。もっと長くふくらませないと」「ええっ!?ただの直線ならそうでしょうけど、容積ですから・・」やはり二言ぐらい補足して解説する事になりました。

もしかして三人のあたりまえでするっと解説してしまい、いやいやそれは違うでしょと他の人達が思うこともたくさんあるのではないでしょうか。誰にでもわかりやすい文章というのは、本当にむずかしいものだなーと思いました。

2005.09.17.Rio迷走を振り返る その4 写真って真実?
チャチャチャの撮影が終わった直後「あーっ、あの画像撮っとくの、忘れた」と、さっそく必要な画像が発生しました。その後、再撮影のメドが立たないまま「ツイスターズに間に合うかもっ!?」と、スパート期間に入ってしまいました。もう撮りなおす時間の余裕はありません。無い物は作るしかない(!?)。

こうなったら画像処理の勝負です。シャッターを押す前に切り取ってしまったこいのぼりの尻尾には、残りの風船を足しちゃいましょう。全ての材料を写すはずが、あららいかげそはマヨネーズの黄色がはいってなかったぢゃないの、黄色を入れましょう。部屋の狭さからテレビが写り込んでしまっている全体像には背景を足します。その他もろもろ、いったいいくつの画像を作り上げた(^^;)ことか。写真ってヤツは、必ずしも真実を写しているのではないんですねー。今回一番活躍したのは、画像処理のソフトだったのかもしれません。

このソフトはとても多機能です。その広大な機能を大海にたとえると、これまでRioは波打ち際の濡れた砂ぐらいの所しか使いこなしてきませんでした。今回のお仕事で、ようやく膝ぐらいの深さまでは使ったかなと思います。

当然のことながら、プロはこんなレベルなんかじゃありません。知り合いの写真家、Sさんが撮った食べ物の写真を見せてもらったことがあります。おいしそうに水滴がついたくだもの。「水滴はね、ついて欲しい所につけてあるの」「ええっ?」。もう廃盤になって売っていないデザインのコーヒーカップは「ああその模様ね、作っちゃった。陰影まできれいにできてるでしょ」「はいっ?」

ソフト以前の、撮る時の細工もあるそうです。きれいな泡のお抹茶の写真を見たRioが「Sさんうまいねー。こんなにきれいにお抹茶たてられるんだ」「あ、それはね、洗剤入ってるの」「ぬぅわにっ?」。「このツヤなかなかだね。さすがきれいに写ってるねぇ」「それはサラダオイル塗ってある」「げっ」。こうやってソフトを使いこなしているプロの方々がとーってもうらやましいような、大嘘つきと言いたいような・・・。私の細工など、かわいいものでございましょ。

2005.09.17.Rio迷走を振り返る その5 Baoワールド
チャチャチャでは、表紙・背表紙・裏表紙をはじめBaoにたくさんイラストを描いてもらいました。表紙を開いた時に現れる第二表紙も、はじめにお読みくださいという入門ページも、そのデザインから絵から、完璧なBaoワールドです。プロの似顔絵描きと風船芸人という、なんじゃそりゃー(笑)な取り合わせが、これほど活かされたお仕事もなかったのではないかと思います。

後になって「あんなに深ぁーく関わるなんて最初は考えてなかった」と振り返っておいででしたので、Rioがジタバタする所に、時々助け船を出す程度であろうと思っていたのかもしれません。Rioが案外「使えないすっとこどっこいなヤツ」であるという事実を、的確に把握していなかったのが敗因でしたねー。いろいろな事ができなくてアップアップしているRioを見るに見かねて、じゃあそこはやっておくからと、手をさしのべたのが運の尽き。とうとうさしのべっぱなしで引きずり込まれてしまいましたとさ。もっとも、Junさんは最初から「おやじさんは絵が描けるんですから、絵本のような雰囲気の本もいいですよねぇぇ」とキラキラした眼差しでBaoを見つめていましたから、そのもくろみがかなり当たった仕上がりになった気がします。なかなか先見の明があったと言えましょう。

また、Rioが感心したのが、Baoの的確な対応能力です。似顔絵を描く時のBaoの画風はこんな感じです。最初は色鉛筆を使って同じような感じの優しいタッチで描いてくれました。ところがこの絵は、前述した通り非常に切り抜くのが大変なのであります。そこでペンで輪郭をはっきり描いたカットをいくつか作ってくれます。そうこうしているうちにタブレットをゲットしてペイントソフトで描きはじめると、また少し感じが違ってきます。描く道具を変えるたびにどんどん差し替え。BaoはBaoなりに、累々とボツの山を築いて来ていますねぇ(^^;)。

Rioは最初、ペンで輪郭をはっきり描いた絵の方が好きだったのですが、背景に色をつけたり、コラムにテクスチャをつけたりして本としての体裁を整えるにつれ、最後に描いた絵のほうがしっくりと収まって来るのがわかりました。うーむ。最初から狙って描きかえていた??のか、たまたまうまくいったのか、その辺は謎ですが、短期間に多彩な描き方でどんどん結果を出して来たのには、やるなーと思いました。

たとえばひとくちにお菓子といっても、和菓子もあれば洋菓子もあれば駄菓子もありましょう。和菓子の職人さんが「あ、駄菓子風がいいのね。はいはい」とひょいひょいソースせんべいを作り、ある時はきっちりスポンジケーキを焼いてクリームでデコレーションしてしまう。どんなお菓子を作ってもそれなりにBaoテイストがちりばめられた物ができあがる。絵をお菓子に置きかえると、こんな感じでした。ハタから見ると何の苦もなく出来上がって来ているように見えますが、Baoなりの試行錯誤があったのでしょうか?でも、アンパンマンの色背景なんて5分で作ってた・・・Rioは恐竜の化石風背景やお寿司の魚へんの漢字背景を作るのにかなりの時間がかかっています。うーん、なんだかくやしい。。。

2005.10.02.作者の写真
チャチャチャの巻末に、作者の写真としてBaoとRioが一緒に写っている物が印刷されています。当初はそれぞれの顔写真を載せようと考えていたのですが、スペースや配置の関係もあり、楽しそうなこっちの写真にしてしまおうということで採用になりました。Baoに言わせると「真の上下関係を表している」(ウソです)のだそうです。

これはスタジオに行って撮ってもらった物の1枚で、撮ってくださった方が途中からいろいろな事を言ってけしかけてくれました(笑)「はい、もうちょっとくっついてー。じゃあRioさん上からつぶしちゃっていいよー」「えー?いいんですかー?」ぐにゅーっ。Baoはきっと重かっただろうなー。。。一見楽しそうに写っていますが、どんなポーズでもとりあえずカメラ目線で笑顔、というけなげな1枚です。本を見たら笑ってやってください。

印刷が上がってきてから、「あっ、この写真も修正できたんだ」と気がつきました。残念、もっといじればよかったー。

2005.10.02.いよいよ発売
先日ほんの少し入荷したチャチャチャは、ご予約いただいていた方々に即座に送られて行きました。その後、9月30日に残りが送られて来て、ようやく大っぴらに発売開始と言えるようになりました。

いやー、今だから言いますが、データを送ってしまってからも、本印刷に入る直前も、いろいろ「想定外」の事態が起きてあわてました。そういう意味では、ハラハラドキドキが最後まで続き、よくできた映画のよう(!?)でしたね。もちろん、想定の範囲内の事も確実に起こってくれてワタワタしましたが。たはは。

早いうちから予約してくださって、まだかまだかとお待ちになっていた方々には本当に申し訳なかったです。ごめんなさい。イベントが雨にたたられると「雨男(女)はだれなのか?」なんて話になりますが、今回ののチャチャチャで嵐を呼ぶ男(女?)はいったい誰だったのでしょうか?

何かあると、Rioはすぐに「きゃーっ!!Junさん、Bao、どーしよーっ!!」とドタバタしちゃいますけど、Baoは「まぁ、命にかかわる事じゃないし、大丈夫」と落ち着いてなだめてくれたし、Junさんは「いや、どれも前向きにきちんとお話が進んで行って、クリアできましたから問題は無いです」というスタンスだったので心強かったです。

完全無欠の出版物は無い、と言われるそうです。いくら校正を重ねても何かしら訂正するべき所が見つかるという事です。Baoが「チャチャチャ掲示板」を作ってくれました。もし「ここ間違ってませんか?」とか「ここ訂正した方がいいですよ」とかを発見したら、ぜひ書き込みをお願いします。もちろん「ここがよかった」とか「次の本はこんなのを載せて欲しい」とか、そういう内容も歓迎します。もう何人か書き込んでくださってますね。ありがとうございます。

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