いくぞ!2冊目
メイキング「風船チャクチャク」

----- またまたおうちで本作り -----

「風船チャチャチャ」に続く二冊目「風船チャクチャク」製作ばなし。今回もいろいろありました。
いろいろある中、強運を頼りに、根性?ちからずく?で、ごりごり押し進むBaoRioJunの三人組。(え?ごりごりはRioだけ?)
どうかツイスターズに間に合いますように・・。
5冊目の裏話「メイキング「風船で遊ぼう」はこちらから
***このサイトの全ての画像、表現の無断転用を禁止します***


2005.11.10懲りない面々集結
「風船チャチャチャ」発売後、次の本のネタは何にしようか?と、懲りない連中がRio宅に集結しました。いよいよ2冊目の本「風船チャクチャク」の作成に向けて始動です。この日の打ち合わせでは本に載せる作品のおおまかな選定や、撮影に足りない物の買い出し日程調整、キャラクター作品の掲載許可をお願いするのはどれか?など、ざっくりとした内容を決めました。この時Rio宅のメインパソコンは部品の初期不良にひっかかり、サービスセンターで修理中(^_^;)。ナランハさん10月6日発行のメルマガでは「チャクチャクは来年7月1日、ツイスターズ2006で発売予定!!」なーんて配信されていたのにパソコンは不在です。だっ、大丈夫なんでしょうか? 一抹の不安が脳裏をよぎります。


2005.12.13撮影開始
チャチャチャの撮影で、Rioはデジタル一眼の魅力にとりつかれてしまいました。でも20D購入は資金的に無理があります。そこで同じメーカーの、KissデジNという少し安い一眼を買いました。レンズもしっかり3本購入。同じメーカーですからレンズは20Dにも共通で使えます。この機種はかなり20Dに近いとされている物です。KissデジNがチャクチャクの撮影に使えればいろいろと便利でしょう。でも、20Dとどれだけ実力の差があるのかわかりません。で、ナランハさんに駄々をこねてしっかり20Dも貸し出してもらい、この日は三脚を2つ立てて、同時に2台のカメラで撮影させてもらいました。こういうのが大いっっ好きなRioにとっては至福の時間でございます。パソコンとカメラを直結して、撮るのと同時にモニタで確認してみます。はい、20Dいつもの通りきれいですね。さて、KissデジNはどうでしょう?「でぇぇっ!?これ、同じ物を撮ったんだよね?」と、びっくりするぐらい色が違いました。しまった、やっぱりケチるんじゃなかった・・・。

KissデジNも決して悪くはないのですが、色がとってもポップというか、華やかというか・・・悪く言うと少々ケバめで、目で見た色と違うのです。撮る対象によってはこちらの方がいい場合もあるでしょう。ただ、風船はそれ自体がかなり華やかな色をしているため、それをさらに華やかな色調で撮ると何か増幅されてしまうのでしょうね。並べた画像は一目瞭然でした。KissデジN完敗です。結局撮影は20Dメインで撮らせてもらう事になりました。ナランハさんで一眼が必要な時はKissデジNを持って行ってもらって、20DはしばらくRio宅に預けてもらいます。「ウチの子になってしまいなさい」といつも20Dをなでなですりすりしていましたが、最後は返さないといけないのでしょう(あたりまえだって)。とほほ。すりすり。

2005.12.16切っちゃいましたー
朝、聖護院大根という巨大なカブのような形をした大根を切ろうとしたRioは、包丁がずるっっとすべって左手の人差し指にざっくり刺さり、怪我をしてしまいました。あらあらたいへん。病院へ行ってみると、なんと5針も縫われてしまいました。釣り針のような曲がった針で、ピンセットを使って縫うんですねー。まじまじと見ちゃいました。まぁ、シャッターは右手で押すから大丈夫でしょう。この日もBaoが作っている所を少し撮影させてもらいました。問題はRioネタです。「自分が開発した作品は自分で作る」という掟ではありますが、まさか包帯ぐるぐるの手が写った写真を撮るわけにもいかないでしょう。「チャクチャクは全部Baoが作ってね」とお願いすると「か、考えておきますぅ」と覚悟してくれたようでした。蚊取り線香やうさぎブレスレットなど、しっかりBaoに作ってもらって「撮るほうが楽だわ」と思いました。後日、包帯が取れた後では「リハビリになるから作りなさいね」と、許してもらえなくなりますが・・・。

この日から、撮影セットのポールの先には風船で作ったBao特性ガードが取り付けられるようになりました。手を怪我した上に、ポールに激突して目でもやってしまったらたいへん、というBaoの親心です。なんだか乳幼児がいるお宅みたいですね。家具の角によくガードがついていたりしたものです。

怪我をした翌日、パフォーマンスや風船教室の仕事が入っていました。代わってくれる人は見つかりません。穴をあけるわけにはいかないし「えーい、なんとかなるさー」と行ってしまいました。こういう時に限って、お手伝いしてくださるスタッフはいない仕事です。「むすぼう」という道具や他の指を使って、なんとか百本単位の風船をふくらませて無事に終了。

あれ??傷を縫ってくださった外科の先生は「これからかなり痛みも出ますし、左手はしばらく使い物になりませんよ」とおっしゃっていました。そういえば、ちょっとした傷でも心臓に合わせてどっくんどっくんと痛いものなのに、じーんとしびれるような鈍痛があるだけです。あれれ?

2005.12.26手術
痛くないのは、知覚神経というのを切ってしまっていたからでした。専門医を紹介してもらって受診すると「あー、神経切れちゃってますね。手術してつなぎましょう。」「え゛?」くっつきかかっていた傷を再度切り開き、上下にも切り広げて神経をつないでもらいました。切り開いた上下の分もあわせ、手術後はトータル15針に増えました。このへんのいきさつは私のサイト「雑感いろいろ」に詳しくのせています。イタイ話がお嫌いでない方はこちらもどうぞ。

半年たった今は、少しずつ感覚が戻ってきています。「半年から一年かけてゆっくりゆっくり治ります」とおっしゃった専門医のお言葉通りです。手術後、全然曲がらなかった指も、今ではグーができます。人の体って、えらいなーと思います。さて、年明けに受診した時、スノボで肋骨を折っていらして「いてて」と言いながら診察してくださった担当の先生、もう治りましたか?片腕全部縫い合わせてるの?という患者さんや、足にギブスをはめた松葉杖の患者さんなどがぞろぞろ行き交い、私の15針などかすり傷のような空間でした。恐るべし、専門外来。

固定金具と包帯が取れたら、Baoは「リハビリも兼ねて自分のネタは自分で作るんだよ」と言って、もう私の作品は作ってくれなくなりました。包帯が取れたとはいえ、1月や2月の段階では神経は指先まで戻ってきていません。まだ時々痛いし(^_^;)。指先ではさむとか引っ張るということがうまくできないので、結び合わせる時も中指を使っていました。うーん不自然ですね。これが本になっちゃうのよね。あ、でも、皆さん風船を見てるんだから、誰も手は見ませんね。そういえばチャクチャクの時もそんな話がありました。。。。。

2006.01.25王様王女様
チャクチャク(着々)は、その名のとおり身につける風船がたくさん紹介されています。チャチャチャは風船や小物を並べて撮影する事がほとんどでしたが、今回は知り合いにモデルをお願いして、身につけたところを撮らせてもらう機会がたくさんありました。お衣装の調達から何から、セッティングもそれはそれはおもしろかったです。どの作品も、身につけてもらったとたんにすごくいきいきして、写真が全然違ってくるのがわかりました。

最初のモデル撮影は王様のかんむり、王女さまのかんむり。
王女さまのドレスは「おもちゃドレス」を発売しているメーカーの、15周年記念限定モデルでして(笑)わざわざ取り寄せてしまいました。レースの手袋までセットになっています。保育園児のお嬢さんに着てもらったとたん、んんまぁかわいいことかわいいこと。Rioは「きゃーっかわいい」を連発、大騒ぎでした。

王様セットは、赤いケープに白タイツ、ちょうちんブルマ、付けヒゲまで入っています。ケープにたたんだシワが残っていて、モデルをしてくださったShigeさんがアイロンがけをしてくださいました。王様みずからアイロンをかけていらっしゃるオイシイお姿を、なんで撮らなかったのか・・他のセッティングに追われていたとはいえ、たいへん不覚でございました。

Shigeさんが奥の部屋で着替えをしながら「Rioさん、白いタイツからすね毛が出てきちゃってますが、大丈夫ですか?」「だっ、大丈夫ですぅぅ」部屋から出てきて「Rioさん、ブルマはこのぐらいの長さでいいですか?」「ふぁいぃぃ(笑っちゃって日本語になっていない)」王様のお姿もツボでございました。Shigeさんは小顔で写りっぷりもよく、本当にモデルさんの素質充分な方でした。ご協力ありがとうございます。(注・ちょうちんブルマと白タイツ姿のお写真は、チャクチャク本文では使っていませんが、しっかり付録の所に載せております。ご期待ください。)

2006.02.07天使と悪魔
王様王女様に続き、今度は天使の羽、悪魔の羽の撮影です。寒い日でしたが、デイジーバルーンこと細貝さんとハッピーゴリラさんがRio宅に来てくれました。「世界のデイジーさん」と、人気者の「ハッピーゴリラさん」がモデルをしてくださるなんて夢のようです。そもそも他の用件でデイジーさんとメールのやりとりをしていて、今度の本はたくさんのモデルさんに協力してもらっているんですよという話になりました。「撮影、楽しそうですね」と興味を持ってくださったので「すっっごい楽しいですよぉぉ」と誘いまくってしまいました。話はとんとんと進み、Rio宅の近所に住んでいらっしゃるゴリラさんも巻き込んでの撮影会となりました。

天使の羽をつけていただく時のお衣装はどんなのがいいでしょう?白のさわやかな天使・ピンクのワンピースの天使・ちょっとパンクなテイストでNANA風の天使、とイメージは広がります。いやーん、着せ替えデイジーさんだわ、といろいろ用意して喜ぶRio。「どれもすごくいいですぅぅ」と目じりが下がりっぱなしのBao。とってもでれでれの撮影でございました(笑)

ハッピーゴリラさんこと要さんも大きなゴリラの衣装持参で来てくださって、別室で着替えてくれました。素の「要さん」の時も、なかなかチャーミングな方ですが、ゴリラさんになるとキャラが確立しているといいましょうか、オーラの出る量が全然違ってきます。ファインダーをのぞいていてはっきりとわかるぐらいです。耳にはバナナのピアス、おしゃれなサングラス、レザーの帽子、紅型の衣装。ディテールもすごい凝っているんですねー。悪魔の羽の撮影とは別に、ゴリラさんの姿だけでいろいろなカットを撮らせてもらいました。この足もかわいいでしょ。

三人でわーい、というカットも撮って遊びました。この日も「人(ゴリラさんも含む(笑))を撮るってすっっごい楽しいわー」と思いました。お二人に心から感謝します。

2006.02.10三度目の正直
実は、最初にモデルさんを撮影する予定だったのは、「騎士(ナイト)なりきりセット」と「おみこし」でした。でも屋外撮影の弱みで天候に左右されてしまいます。なんと二度も延期の憂き目にあいました。まず1月23日は、撮影予定日の前に雪が降って凍結。幼稚園の年長さん達にモデルをお願いしているので、もしもすべって怪我でもされたら大変です。直前まで何度も下見をしましたが、雪解けならず延期としました。

次の1月31日は雨。午前中が微妙な天気で「できるか、できないか?」と心配しつつ、おみこしからナイトセットまでBaoとRioでたくさん作って準備しておりました。ちょうど全部が完成した頃、しとしと小雨が・・・。「でぇーっ、今日も延期ぃぃ?」園児さん達、たくましいとは思いますが寒いこの季節です。雨に濡れて風邪でもひかれたらいけないとこの日もボツでした。たくさん作った作品は、幼稚園に寄贈して解散しました。

ようやく三度目の正直で撮影ができたのは、次の月に入った2月10日でした。幼稚園の保育時間が終わった頃を見計らって正門前に集合。幸運なことにしっかり晴れてくれました。あらかじめ作ってきた風船の袋と、撮影機材もあってすごい荷物です。Rioなんて、園児さんが2人ぐらい入っちゃいそうな大きいバッグを持っています。幼稚園にも撮影のお話を通してあったのですんなり待たせてもらいましたが、このご時世にこんな荷物の大人達が正門前でうろうろしていたらあやしまれたかもしれません。それぞれの保護者に協力していただいて、制服から普段着に着替えてもらってからの撮影なのですが、お一人がスタンバイできても、後のお子さんが来るまでの間にじっとしていられず、また園のどこかに遊びに行ってしまいます。全員に着替えていただき、遊んでいるお子さんを探し出し、撮影場所へ移動できたのは集合時間からしばらくたってからのことでした。

子どもさん達はとにかく元気です。撮影場所への移動も、どんどん走って行ってしまってたちまち見えなくなりそうです。うわ、待ってー。車の通る所じゃなくてよかった。お母さんたちはのんびりと「あんまり遠くへ行かないのよー」ってそんなぁ、帰ってきてくださーい(^_^;)。

撮影はとにかく自由に動いてもらい、それを追いかけて撮らせていただくのがメインでした。木漏れ日の中、楽しそうに遊んでくれてとってもいい感じの写真が撮れました。お母さんたちも一緒にデジカメや携帯で撮影。撮影軍団はちょっとした報道陣のようでした。「報道」って黄色い腕章つけて遊べばよかったかな?(笑)

2006.02.15ソフトクリーム
「走りながら考える」「作りながら思いつく」という、たいへんあぶなっかしいRioでありますが(単に計画性が無いだけとも言う)今回の本でも、その才能がいか んなく発揮されました(^^ゞ。それは自分の作品だけでなく、Baoの作品にまで被害が(笑)及んでおります。例えばソフトクリーム。Baoはこれをステージで作る時、クリームとコーンのVの形の所だけを作っていました。手で寄せて持つときれいなコーンの形になっているから、その形でお客さんに見せるのです。ところが、これを置いて撮ると三角の隙間がやや目立ってしまいます。いったんこの形で全部の写真を撮り終わり、できあがった作品はRio宅の家具の上に置かれました。その日の夕方、ふと「これ、横に1つ足したらいいんでないの?」と思いついたRioが横ソーセージ2つではさんでみました。あらっ、けっこういけるんじゃない?

別の撮影の時にBaoに見せると「ふーん、横にあるとジェラートのコーンみたいでいいね」はいー、撮り直し決定です。テイクツーいってみよー。作り方の手順も含め、一から撮り直しという事にしました。ピンクと白で定番のいちごミックス、茶色と白でチョコミックスも作りましょう。ノリノリになったRioが「抹茶はぁー?」「ブルーベリーはぁぁ?(紫芋でもいいけど)」「ええーっ!?そんなに作るの。あ、でも抹茶けっこういいね」「でしょでしょ」んじゃ、三色ミックスはどうでしょう?こうなったらもう「毒食わば皿まで」の心境だったのでしょうか?いつのまにかソフトクリームのスタンドまで針金で自作しておりますね、Bao。それいただきっ。全部の分作ってね(・▽・)/。

さぁー、楽しいトップ写真の撮影です。どこにピントを合わせてどこをぼかして、というのをやりたいRio、斜めにずらして置き、前から2つめの作品だけにピント が合ってて手前と奥がぼけてて・・・あれぇ、うまくいかない。レンズ換えてみよー。配置をいろいろ変えてはBaoと交代で撮影です。むははは楽しいー。でもきりがないー。思いつく限りの構図を撮り終えて、やっと気が済みました。Bao、本日も突っ走るRioにつきあってくれてありがとう。

この頃はちょうど、リンコちゃんは載せるのどうしようかな?やっぱりやめようかなー。とRioの心が揺れている時でもありました。

2006.02.17事務所乱入
この日はアフロヘア・アンモナイト帽子・ブレスレット等のモデルさん撮りです。BaoRioは朝からナランハさんの事務所に乱入、一角をお借りしてがしがしと作品を作り、皆さんに身に着けていただいて写真を撮らせてもらいました。チャクチャクのモデルさん選定については、ちらっと「公募してはどうか?」という案もあったのですが、何しろ時間の余裕がまったく無い(^_^;)。その上、ギャラの余裕も無い(笑)。なおかつナランハスタッフにはユニクロのでっかいポスターのモデルをおやりになった方をはじめ、被写体としても魅力的でノリのいい方々が揃っている、とくれば、こちらにお願いしない手は無いでしょう。「モデルは我々でいいんですか?」とおっしゃるので「皆さん「が」いいんです」と説得してこの日の撮影になりました。

通常の業務をこなしていらっしゃるところにお邪魔したにもかかわらず、皆さんこころよく帽子をかぶったり、手タレさん(手専門のモデルさんのこと)になったりして協力してくださいました。アフロかぶったまま真面目に注文の電話に対応なさったりしていて、事務所内は一時異様な、というか、笑っちゃう空間になっておりました。カメラに詳しいWさんが一緒に撮影に加わってくださり、カメラ担当2名で撮りまくりました。が、笑い上戸のRioは笑っている時間の方が長かったかもしれません。ひー。

アフロは色のパターンを変え、アンモナイトは色も形も変え、Baoは何個も作りました。アフロは色数が少なくなるほどむずかしくなります。最高難度の1色を作っている時は「いま話しかけないで・・・」オーラが出ています。そういう時に2足す3はいくつぅ?とか、今日は何曜日だっけ?とか、話しかけてからかうと楽しいです。ってRioは仕事中に何をしているんでしょうか(笑)。

花のブレスレットは、皆さんの手が入り組んでいる構図をBaoが考えてくれました。たおやかで美しい手が四方から出ていてそれはそれは素敵。Baoのアイデアとってもナイスよぉ。ん?たおやかでやや毛深い手も混じっている?けどね。

Rioは自分のブロア持参でオオリンコちゃんも製作。Wさんにつきっきりで撮ってもらいました。普段は撮るほうが多いので、なんだか嬉しい時間でした。さーて野外撮影だ。オオリンコちゃんを着て公園に行くぞー。ってアタシが着るんですか?え、作者だから?なんでそーなるの。よたよた道を歩いて移動していたらパトカーと遭遇。うわどうしよう。職務質問されるかとひやひやしましたが、無事スルーされました。

この日は風が強く、体積の大きいオオリンコちゃんを着ているとどこかに持っていかれそうになります。Bao交代!と途中で代わってもらいました。離れて見てみると動いているリンコちゃんかわいいわー。この頃から、Rioは完全に親バカモードになってます。もうチャクチャクに載せる気満々。こんなに大騒ぎをして撮ってもらった公園リンコちゃんなのに、後日チュウリンコと一緒に撮ったイベントでの写真が本採用になってしまいました。Wさんごめんね。でも、裏表紙に「やきとり屋さんを覗き込むオオリンコ」が載ったから許してね。

2006.03.04家庭の事情でもう一台
旧Rio宅は、築20年を越えるマンションでした。手狭になったことや、去年の集中豪雨による停電騒ぎなどに懲りてしまい、家族はすっかり「夢の新天地へ」という気持ちになっておりました。年明けから本腰を入れて物件を探していて、なんとか条件に合うマンションが見つかりました。新居の購入手続き、今住んでいる部屋の売却準備、引越しの手配など、にわかにRioの身辺があわただしくなってきます。

郵便局と銀行とがオンラインでつながっていない、というのを知ったのもこの時です。家人と預金を解約後、人ごみを縫ってゼロのたくさんついた小切手を銀行まで運んだ時は、さすがにドキドキしました。

新居は管理組合とテプコとが契約していて、プロバイダの機能も兼ねて光回線を引いています。引越し後は今使っているプロバイダは解約でしょう。おっと、ファンサイトのトップページはソネットのままだった。旧URLにアクセスした時に「このページは移転しました」とお知らせが出せるのは、契約している間だけです。と、いうことはー、引越し前、早い時期に移転してしまい、お知らせの期間を確保しなくてはなりません。山のように迷惑メールが来ていたメールアドレスも廃止して、移転の連絡と一緒に送ってしまいましょう。こりゃーえらいこっちゃー。

2月下旬、チャクチャクのトリミングはそっちのけで、まずはホームページのお引越しです。もともと何年か前にサブドメインを取得しているので、全部そちらにまとめてしまうことにしました。この移転もすんなりとはいかず、バーミッションがおかしくなってしまったり、リンク切れが見つかったり、えらくドタバタしました。

移転のお知らせを受けたJunさんが「Rioさん、なんでまたこの忙しい時期に移転なんですか?」といぶかしがっていました。事情をお話すると「そういうことでしたら無理をせず、チャクチャクはできる範囲でゆっくり作りましょうよ」と言ってくださいます。お気遣いありがとうございます(*^_^*)。

さて、RioのデスクトップパソコンはDTP対応。モニタが大きくて明るいのはいいんですが、いつも見上げるような姿勢になってしまって肩がこります。そろそろノートも欲しいなぁと思っていたところに、この引越し騒ぎです。この騒ぎにまぎれて買ってしまえと(どういう判断だ?笑)、セミオーダーのようなノートパソコンを注文しちゃいました。これ、オーダーメイドじゃなくて、オーナーメイドと言うんだそうです。メーカーの造語ですかね。

組んでもらったパソコンが届いたとき、一番びっくりしたのは付属のCDやDVDが一枚も無いことでした。リカバリディスクも自分で作るんですって。ほっほー、おもしろい。すぐに秋葉原へ出かけて行ってメモリも購入。2ギガを積んで、チャクチャク作成のサブ機としてセットアップを始めました。この時はそれほど深く考えていませんでしたが、後日このノートは締め切りが迫ったチャクチャクの作成に大活躍することになります。

2006.03.13イベントで再撮影
東京の荻窪駅に近い「あんさんぶる荻窪」という所で「杉並子ども・子育てメッセ」というイベントがありました。Rioはこのイベントでエントランスと5階のデコレーションを担当させていただくことになっていました。

例の「走りながら考える・作りながら思いつく」というRioの出たとこ勝負ぶりが、ここでも発揮されることになります(^^ゞ。先日公園でWさんに撮ってもらったリンコちゃんもよかったのですが、実際のイベント会場で撮らせていただいたら、もっといいかも?お子さん達が遊んでくださっている写真も撮らせていただくと、さらにいいなー、と思ってしまいました。さっそくメッセの実行委員会で皆さんに打診し、快く了承していただきます。建物は区の施設ですので、区の方にも確認を取ると「着ぐるみはいいね。建物の宣伝になるし、いいじゃないですか」と快諾を得ます。幸いなことにJunさんもBaoも予定が合いました。やったー、皆さんありがとう!!

リンコページのトップになったこの写真、オオリンコにはBaoが、チュウリンコにはRioが入っています。そして後に写っているアーチのラウンドは11インチではなく16インチです。「あんさんぶる荻窪」はガラス張りの素敵な建物で、エントランスは天井がとても高いのです。これは半端なスケールだと風船が負けてしまうと判断してサイズを大きくしました。それにしても11インチにしか見えませんねー。Baoの入ったオオリンコは人気者で、お子さん達にもみくちゃにされていました。顔のそばに見える黄緑は、Baoが260のエックス編みで作ったコリンコちゃんです。この会場で初めてBaoに見せてもらっていやーんかわいい!と惚れてしまい、撤収の時は「この子は誰にもあげないわよ」と(笑)抱いて帰りました。

さて、イベント当日大活躍だったのはJunカメラマンです。特に野外撮影ではKissデジとJunさんの相性が抜群で、いい写真をたくさん撮っていただきました。オオリンコの中にお子さんが何人も入って遊んでいる様子を激写した時はこんな感じでした(これはRio撮影です笑)。この時撮った写真のおかげで、リンコちゃんのページは充実したものになりました。

2006.03.20ファイル送信
前回チャチャチャを作った時、Rioは画像を配置するのも、キャプションを打ち込むのも1人で作業していました。でも、印刷会社さんが直接扱えないソフトを使ってしまったため、仕上げはJunさんが別のソフトに置き換える、いわば翻訳作業をしてくださいました。

この置き換えが当初想定していたよりスムーズにいかず、別のソフトで一から配置し直すような作業になってしまいました。いやー、申し訳ない。Rioがキーボードショートカットとトラックボール(たまにアクション(笑))を使ってほぼ「内職的手作業」で仕上げたのに対し、Junさんはスクリプトを組み、アクションを駆使して「完全自動化」に近い環境を作ってしまいました。配置速っ!うーんさすが数学科出身、かっこいいです。

チャチャチャで基本的なレイアウトは出来上がっているので、チャクチャクはこの形のままでいけます。Rioは画像の切り出しとリネーム・こんな風に配置してくださいというお願い・画像の数字に割り当てたキャプション作り等を担当し、配置のルーチンワークはナランハさんでやってくださる事になりました。指を手術したり、これから引越しだったりと問題は山積しているのでとっても助かります。

「宅ふぁいる便」というサービスを使って(これ便利ですよー、無料だし)、まずはポップコーンのファイルを圧縮して送ってみました。こんな感じで、作品毎にファイルを作って送ることになりました 。

2006.04.06サーバー同士で
「宅ふぁいる便」はとても便利ですが、時間帯によっては混んでいるし、容量の制限もあります。作品によってはかなりの容量になることもありますから、分割までしていると大変です。あ、そうだ自分のサーバーにアップすればいいんじゃないの、と思いつき(遅いっ)チャクチャクのスペースを作ってアップロードしてみました。無事にJunさんにダウンロードしてもらったようです。なんだこっちの方が全然簡単だったわー。

Rioの契約は250MB。ファンサイトである程度使っていてもまだ余っています。この日から、Rioは作ったファイルを自分のサーバーにアップロードしてナランハさんに連絡、ナランハさんでは配置して出来上がったファイルをナランハさんのサーバーにアップロードしてRioに連絡、というサーバー同士のやりとりをするようになりました。Rioは自宅のリビングに座ったままでデータのやりとりができます。すごい便利。うーん、でもますます内職だわ。たはは。

2006.04.11直球ど真ん中
デイジーさんのシークレットセミナーの日です。BaoRioも出席させていただいて、160の編みこみでニワトリさんを作ったり、インサイドナット挑戦したりと、楽しい時間を過ごしました。無心に編んでいるとなんだかランニング・ハイのように「編みこみハイ」になりますね。もういくらでも編めるわぁぁ、みたいになって気持ちよかったです(笑)。デイジーさんありがとうございました。

当日Junさんは受付をしたり、ランチの手配やMCをしたりと大活躍でした。Rioもたくさんの方々に会えて、声をかけていただいて、とっても幸せでした。

セミナーが終わって、MCのJunさんがツイスターズ小牧の事、次の本チャクチャクの事などをアナウンスしてくださいました。そこでさらに「チャチャチャをお買い上げくださった方?」「はーい」うわ、ほとんど全員の方が手を挙げてくださってます。その上さらに「2冊買ってくださった方は?」「はーい」ええっ!?それ聞いちゃうんですか?おっとけっこうな数の手が挙がってます。感激です。ありがたい気持ちがいっぱいで、最敬礼したまま顔があげられなくなりました。

えーっと、ところで、、、もしもしJunさん?「引越し等で大変なら、無理をしないでゆっくり作りましょうよ」と言ってくださったのはどなたさんでしたっけ?こんなにダイレクトな反応をいただいて小牧に間に合わないって言えないじゃーあーりませんか。直球ど真ん中に球を投げられてしまいました。こりゃ大変。「この後どこかでお茶でも」と誘ってくださる友達をお断りしてBaoRio二名はセミナーからそそくさと帰宅。その日の夜も作業にスパートをかけました。

あの時の皆さんの反応、嬉しかったです。生の声の力はすごいです。この時のことはずっと心にあって、とっても励みになりました。

2006.04.20 細工いろいろ
解説文を書いていると、時々「あ、あのコマ必要だったのに撮影してない」という事が起きます。今回は撮り直しも何回かさせていただいたのに、それでも後から出てきます。うーん、しかたがない、作ってしまいましょうか。

たとえば「目玉おやじ」。Baoはこの作品を作るとき、なぜか普通にふくらませてから空気を先端に移動させます。でも、いったんふくらんだところは弱くなって、ぷくっとふくらみやすくなります。Baoは空気の調節がうまいし何の苦も無く手足をきれいに作りますが、Rioが作ると手の所が微妙に太くなったりします。最初にふくらませた所がそうなる事が多いのです。「これさー、先端をびよーんと伸ばしておいて「改造人間の手」作る時みたいに、いきなり先端に空気入れて作っちゃいけないの?」(Rio)「あ」(Bao)。やっぱいいんだよね。では解説変えちゃいましょう。「空気移動の手」を「ポンプで先端をふくらませてる手」に変更。まず下の手を消し、ポンプは他の画像から切り抜いて大きさや角度を変え、陰影をつけなおしました。

「モデルさんを美しく」という細工ももちろんあります。室内で少し暗くなってしまった顔色を明るくしたり、屋外の光に包まれた姿を少し暗くしたり。「改造人間の手」のJunさんはRioのサングラスをかけていただいたので、耳の所までつるのカーブが届きませんでした。もともと女性用で小さめなのです。「これ、浮いててかっこ悪いですよね」と嘆いておいでだったので、なんとなーく、つるがまぎれるようにしました。

作品の切り抜き、合成もあります。白鳥は別々に撮ってあったものを切り抜いて一緒にし、下にうっすらと影をつけました。ネズミの結婚式も切り抜いて反転、Baoに「こんな絵が欲しい」とおねだりして描いてもらって背景にしました。それにしても「こんな感じで」と言ったらその場でちゃちゃっと描いてくれるBaoはすごいです。Rioのイメージ通り、いや、たいていイメージ以上の絵ができあがってきちゃうのです。なんなのよー。天は二物も三物も一人に与えているのねと思うRioでした。

2006.04.28 引越し騒ぎでまた中断
ゴールデンウィーク直前、Rioは自宅の引越しでした。引越しは十数年ぶり。

今回「らくらくパック」という、荷造りをプロに頼む引越しを初体験しました。荷造りは引越しの前日に行います。朝8時台に女性が3人来てくださいました。さてこの3人、エプロンをさっと身につけて分担を決め、各部屋に分かれるやいなや、もっっのすごい手さばきでダンボールに荷物を詰めていきます。あれよあれよと空になっていく押入れ・食器棚・机の引き出し・・・。まるでビデオを早送りで見ているようなスピードです。そしてどんどん積み上げられる荷物を詰めたダンボール。最低限必要な会話以外は声もたてず、的確な作業が流れるように続きます。

「お客さん、今日使う寝具や明日履く靴、まだ使う食器や調理道具とか、別にしておいてくださいね。油断するとどんどん詰めちゃいますから」あわわわわ、靴は気がつかなかったです。おっとこれも今日使うものだわ。わたわたしながら、別のダンボールを作って放り込みます。「早送りの3人」の間を「スロー再生のようなRio」が動く様子は、さぞ対照的だったことでしょう(^_^;)

同じ部屋、同じ収納の中の物は、原則として同じダンボールに入れます。ただ、彼女達の至上目的は「いかに速く、いかに荷崩れしないように詰めるか」だったのだと思います。なので、すき間にぴったりくる大きさの物があった時、その原則は変更されてしまいます。「お客さん、このすき間にこれ詰めちゃいますけど、いいですか?」と必ず了解を取ってくださるのですが、3箇所でめいめいに、時には同時に声をかけてくださるので、Rioは途中で完全にわけがわからなくなりました。結果、引越し後には外付けハードディスクとクッションが同居していたりするダンボールが、新鮮な驚きとともに発見されることになります。

終了予定1時間前「ま、こんなもんね」とプロ集団の作業終了。玄関までお見送りすると、お一人が「アタシの靴が無いっっ!!」「えーっ?」うーん、プロの靴まで一緒に荷造りされちゃったようです。「靴詰めたのは誰?」一番若い女性が消え入るように「私です・・・」それからいくつガムテープがはがされたことでしょう。靴はなかなか出てきません。だんだんイライラのオーラが出てきそうになったとき、全然違う場所に靴のダンボールが紛れ込んでいるのを1人が発見。無事に3人揃ってお帰りになりました。やれやれ。身の回りのもの全てが福岡に送られてしまい、同僚にお金を借りて、スリッパでご帰宅なさった話とか、靴探しの時間にいろいろなおもしろい話を聞かせてもらいました。「靴やられたのは三回目よー」と言いながらお帰りになった女性は、今日も元気にどこかで荷造りをなさっているでしょうか。

食器や本は重いので、小さいダンボールでないと運ぶ時に底が抜けてしまうそうです。どんどん増える箱数。結果、Rio宅の引越しダンボールは全部で150箱にもなりました。引越し当日はこのダンボールが各部屋に運ばれ、何段にも積み重ねられます。 特にリビングはあまり物がなかったので、そこに三段、四段に積み重ねられたダンボールが何列も並び、ほとんど「ダンボールの迷路」ともいうべき空間が出来上りました。 詰めた中身をマーカーで書いてくださってありますが、向こう側に書かれたものは読めなかったりします。

荷解きは自分でするため、引越し後、この150箱との長い長い戦いが始まりました。いやー、引越し後もこんなに大変でしんどいものだとは知りませんでした。しばらくはチャクチャクの作業をする余裕も無く日が過ぎたのでした。

2006.05.09 復活
引越しでダンボールの山に埋もれてしまったRio「このままでは生活に追われてチャクチャクの作業ができない」と危機感がつのります。短期集中とか出たとこ勝負とか(笑)は得意ですが、あれこれ上手に両立しながらコツコツとこなしていくのは苦手な性分ということも自覚しています。残っているダンボールはとりあえず見ないことにして、約二週間ぶりにファイルのアップロードをはじめました。作品ごとにファイルを作ってはナランハさんにダウンロードしてもらい、配置されたファイルをRioがダウンロードするという作業の復活です。

このあたりから、引越しのドサクサにまぎれて購入したノートパソコンが大活躍します。新居は各部屋にLANポートがあり、TEPCOひかりの回線に接続しています。うーん旧宅のBフレッツより速い感じ、引越してよかったーと思いつつ、ノートPCとLANケーブルを持って空いている部屋に入り込んでは編集作業に没頭する時間を作りました。

Junさんは普段から5人分ぐらいの仕事をこなしているのでチャクチャクにつきっきりというわけにはいきません。そこでナランハのKさんが配置作業の助っ人を担当してくれました。朝から夕方まで時間が取れたある一日、RioとKさんのびっしりとしたやりとりがありました。ファイルを作ってアップロードすると、ものすごい速さで配置されて帰って来るのです。こうなるとRioの負けず嫌いと短期集中モードに火がつきます(笑)。この日一気に5作品分のアップロード・ダウンロードが繰り返されました。最速は一作品30分ぐらいで配置されたらしく、打てば響くように帰ってきます。こちらも意地になってファイルを作っては送ります。なんだか周回遅れのランナー(Rio)が、一位のランナー(Kさん)にひたひたと迫られているような感じでした。普段使い慣れていない頭をフル回転させたため、夕方にはどっと疲れましたが、この日の達成感はすごいものがありました。もともとは、配置のスクリプトを作ってくださったJunさんの偉大さもあります。いろいろな方の力が終結して本は出来上がるんですねー。ありがたいです。

引っ越ししてBao宅にもより近くなりました。この近さが機動性を生んでくれます。Rioがノートパソコンを背負ってBao宅を襲撃、Baoのノートと並べてやりとりしながら作業させてもらうということもたびたびありました。Baoの環境ではサーバーからダウンロードした圧縮ファイルがうまく読めなかったりしたため、配置されたファイルが届くたびにプリントアウトしてすぐにBao宅にお届け、またはBaoがピックアップに来てくれる「アナログチャリ便」も大活躍でした。Baoはすぐに目を通して校正し「ここ違ってるよー」とフィードバックしてくれます。こうして二人三脚、じゃなくて四人五脚?でのスパートが続きました。

2006.06.01 皆でラストスパート
リンコちゃんのページ以外はほぼファイルが出揃い、この日はJunさんとBaoRioが久しぶりに顔をあわせてミーティングでした。

実は、これからまだまだ仕事あるのです。本作りが初めてだったチャチャチャの時、Rioはこの段階で「頂上まであと少し」と思ってしまいました。ところがこの先、細部を詰めてきっちりとした本の体裁を整えていくという作業が、かなりの工数もかかり注意力も必要なのでした。ましてやリンコページもできていないこの段階は、登山でいえばまだ6合目ぐらいです。

全員かなり真面目な顔で配置されたプリントアウトを1ページずつ確認し、詰めの作業をだれがどのように分担するか決めていきました。Baoは緑、Rioは黄色の付箋を貼って、そこにやるべき事を書き込みます。あれ、なんだか黄色がやけに多い気がするんですけど・・・?。

チャチャチャの時もそうでしたが、配置された写真と説明文を見ながら、ナランハスタッフが実際に作品を作って、わかりにくい所を指摘してくれたレポートも届けられています。そのレポートを見ながら、もっと写真を拡大した方がいいとか、説明がわかりにくい所はよりよい文章をその場で考えたりもします。

Junさんが訂正点を一覧表にして持って来てくれていました。その分類がおもしろい。「長さ調整」とか「レイアウト変更」とかに混じって「日本語微妙」。Rioの言い回しがややズレていたりする所にこの分類があてはまります。あまりにぴったりな語感で笑ってしまいました。それからチャクチャク完成までの間、BaoRioの間でこの「にほんごビミョー」が大流行。なにかというと「まだ日本語ビミョー」とか「完成度ビミョー」とか言って遊んでいました。

2006.06.03 足し算できなくてよかったねぇ
写真の数を全く考えないで解説していくと、各作品ごとに余白ができてしまう事が多いです。ページの半分だったり、四分の三が空いてしまったり。そこに何を持ってくるか。これも仕上げ段階の重要な仕事です。

解説ばかりでは単調になってしまいますから、その余白がバラエティに富んだお楽しみスペースになって、本にいろどりを添えるのです。いろどりどころかそこがスポットライトを浴びたように輝くこともあります。埋めるのは、関連する写真・ちょっとしたコラムやクイズ・参考作品の紹介だったり、イラストだったり。で、そのイラストやコラムがBaoの担当です。

打ち合わせ後、イラストレーターとしてツボにはまったBaoからファイルがばしばしと送られてきます。チャチャチャの時のイラストもとってもいい感じでしたが、チャクチャクのイラストはまさに「来ちゃった」感じでしたねー。その1点だけでくすっと笑いを誘う、ウイットに富んだもの。まちがいさがし。ドローソフトできっちり描いたカラーパターン。真面目にちょっといい感じの絵。そのバリエーションの豊富さもアイデアも、毎回「おおーっ!今度はそうきたか」と思いました。

中でもRioの失敗をフォローする形で描いてくれた色紙風のイラストが結果オーライの大当たりでした。えー、そもそもRioのアホな失敗はこうです。野菜いろいろで5種類の野菜をそれぞれ解説したのですが、なぜかこの時だけ「余白無しで埋められるかな?」と4の倍数の写真を使う事にチャレンジしてみたのです。しっかーし、計算を間違ったというか、トップ写真の大きさがあるのを忘れていたというか・・・結果、5種類ともみごとに写真2枚分の余白ができてしまいました。ううっ、足し算すらできないワタシ。おバカすぎる。そこへあの武者小路実篤風の文とイラストが描かれた色紙をはめ込むと、紙面がめちゃくちや良くなったのです。この時の背景紙の感じは少し地味だったので白地の色紙が映えた上に、内容もおもしろい。おお、なんとラッキーでしょう。足し算できなくてよかったねぇ、なんて、こんなの自慢になりませんわ。

この時は、Rioのおバカを「結果オーライの強運」に変えてくれたBaoにひたすら感謝しました。

2006.06.05 しぶとく撮影
「余白を何で埋めるか」の続きで、本日は鬼のお面の余白用写真の撮影です。配色の参考にしてもらおうと、赤鬼・青鬼・緑色の鬼、Baoがいろいろな色で作ってくれました。豆まきの豆も持参してくれたので、マスに盛ってさりげなくそばに置きます。

お面5つをばらっと自然に置いた感じ、少し立て気味にして低いアングルから狙ってみるなど、いろいろな構図で何カットも撮りました。最終的に本に載せたのは、花びらのように並べて上から撮ったものでした。実はこれ、Rioが何年か前のパソコンのCMを思い出して「iMac to go」とか言いながら撮った写真です(^_^)。

配色が全部きれいにわかる方がいいし、上の解説写真とのバランスもよかったので採用となりました。照明無しの自然光、しかもKissデジで撮ったため色がどう出るか心配しましたが、案外いい感じに仕上がってほっとしました。

2006.06.05 しぶとく撮り直し
鬼のお面を撮った同じ日、気球の下のカゴの作り方も撮影しました。ここの部分は言葉だけで解説しようとして作り方のコマ撮りはしていなかったのです。Rioがチャチャチャの「大きいそり」の応用で考えたものでしたし「原則として作者が作る」の掟どおりにRioが作ってBaoが撮影でした。途中でBaoが「底は二重にしなくてもいいんじゃない?」と提案してくれて急遽作り方を変更、あーでもないこーでもないと改良しながら作っていくのはとても楽しい作業です。三人寄れば文殊の知恵と言いますが、二人でも充分触発される所があります。おかげですっきりとしたカゴになりました。

実は全体の写真も撮り直したかったRioは、解散後、午後から一人で気球を作りだします。リンコルーンで作った気球は、引越し前に一応撮影してありました。それは他の撮影をしたついでにRio宅のありあわせで作ってBaoに見てもらった物で、実は6インチと12インチが混在しちゃっておりました。「わーこれもいいじゃない。載せようよ」とウケたためとりあえず撮影しましたが、どうも輪郭がデコボコしています。本に載せるなら全部6インチでちゃんと作りたかったのです。しかも、さっき改良したばかりでカゴの作り方も微妙に違ってきています。

ツイスターズに間に合うか間に合わないか?ギリギリの日程で作業していますが、だからといって急ぐあまりに粗雑になるのは困ります。いまの自分のレベルでできる100パーセントのものが作りたい。それでも、完成したとたんに反省点が山ほど出てくるのがものづくりの宿命です。鬼のお面の撮影でKissデジ自然光でもなんとかいけるとふんだRio、今ならリンコルーンの在庫もしっかりあります。こりゃーやっちゃうしかないでしょう。Baoに教えてもらったエックス編みを使って7色をひねり合わせるとかなり早くできました。カゴを下げている紐をピンとさせるため、さかさまにして撮影しています。

後日、別の作業をしにやってきたBaoは、逆さにつるされた気球を見て「やっぱり作っちゃったんだねー」と、なかば予測していたようにあきれていました。てへへ。この気球は全部を12インチで作ることもできます。かなり巨大になりますが、高さのある広い空間にはたいへんはえます。Rioは以前、12インチを屋外につるした事があります。その時は風が強くて気球がくるくる舞ってしまい、あまりちゃんとした状態で鑑賞できませんでした。もしこれを屋外に飾ろうと考えたかたは気をつけてください。できればちゃんとしたラインを取って、室内に下げるのがベストです。

2006.06.11 完徹バトル
さて、いよいよ全ファイルを完成させなくてはならない日が来ました。泣いても笑ってもこの日が勝負、決戦の日曜日です。残るはリンコルーンのページのみ。ツイストバルーンのページはチャチャチャでフォーマットが決まっていたので、当てはめていけばいい気楽さがありましたが、最後の9ページは真っ白な所からのスタートでした。

リンコルーンという風船を見たこともさわったことも無い人でも、これを読んでちゃんと完成できるように説明するにはどうしたらいいんだろう?うまく作るにはけっこうたくさんの「コツ」があるのです。デコレーターさんなら常識以前の事も、わかりやすく解説しておかなくてはいけません。この日までに作っておいた原案ページは、ついつい説明の山になっている所があります。うーむ。これじゃ本を開いたとたんに読む気無くすわー(^_^;)。やっぱりあと1コマ画像を追加して文章を減らそう。家族をつかまえてシャッターを押してもらい、もう1コマ追加します。当日になってまで何やってるんでしょう。

Junさんに連絡を取ると「データを受け取ってからのこちらの作業は夜になります。それまでじっくり完成度を上げておいてください」とのことでした。え?いいんですか?そんな事言っちゃって。いいと言われれば本当に最後まで粘りますよ、ワタシ。「日本語ビミョー」な文章の言い回しを直したり、Baoが描いてくれたイラストの線の太さ、フォントの大きさを変えるなど、細かい調整をやりはじめるとキリがありません。少しいじってはプリントアウトして全体の配置のバランスを見たりしているとあっという間に時間がたっていきます。そのうえこの日は日曜日。しっかり家族全員が在宅しています。ましてや引越してまだ日が浅く、物の位置が決まっていなかったりするので「あれはどこにあるの?」「これはどうなってるの?」と話しかけられまくり。ううー、ホテルに缶詰になりたい・・・。

それでもなんとかファイルを作り終え、夜9時30分ごろからアップロードを始めます。リンコルーンのページは印刷所に直送できるドローソフトで作りました。これは圧縮してもものすごいデータ量になります。いっぺんにサーバーに置けないので、Junさんがダウンロードしてくれたら消去して次のファイルを送る、という繰り返しをします。後は送る作業だけでたいした訂正は無いだろう。やっと完成、おめでとうワタシ。と喜びにひたっていたのもつかの間でした。

11時すぎからダウンロードと同時に校正作業に入ったJunさんから、がしがしとメールが送られて来ます。「トップの写真、縦の長さが足りません。もう少し大きいサイズで送ってください」断ち切ったフチまで写真にするには、本のサイズより一回り大きな写真を配置しなくてはならないのですが、長さが少し足りなかったようです。トリミングしなおしてアップロード。そうこうしているうちに「日本語ビミョー」な所が残っていたのを突っ込まれます。解説文が収まりきらない箇所、サイズやレベルが抜けていた所、指摘はどんどん増えます。ええーっ、そんなに!?ワタシのファイルは穴だらけでしたのね。

Rioにとってはいったんゴールのテープをきって安心したと思ったのに、またスパイクを履いて走り出すような感覚でした。とほほ。試験ならケアレスミスの山といった感じでしょうか。指摘された箇所を訂正しては送り、Rioは深夜の自宅リビングで、Junさんは会社で、それぞれがパソコンに向かって夜が更けていきます。メールで足りない時は電話でやりとり。あれよあれよと夜明けです。実はJunさんはこの日、早朝に家を出てヨーロッパに出張なのです。せめて仮眠ぐらい取ってもらいたかったなぁ。反省しながらの完成でした。作業完了を知らせる電話では「出発前から時差ぼけですぅぅ」と言っておいででした。たいへん申し訳ない。どうか体調を崩されませんように・・・。

2006.07.01 ツイスターズでお披露目
いよいよチャクチャクを御披露目する、ツイスターズ小牧がやってきました。

今回は、ツイスターズに間に合わせるのにギリギリの日程だった事もあり、同じ印刷所である程度勝手がわかっていた事もあり、BaoRioも完全に製本された状態で見るのはこれが初めてという、ちょっとドキドキの日でした(・_・;)

Rioはウェルカムリンコちゃんを作るため前日に小牧入りしていました。印刷所から上がってきた本を見た東京のナランハスタッフから、やはり前日入りしているJunさんに連絡が入ります。「**の箇所の画像解像度が若干気になりますが、大丈夫でしょうか?」え?かっ、解像度ですか!?うーん、そのセンが来るとは思わなかったわ・・(*_*)元データはRio宅のデスクトップパソコンの中なので、小牧に来ていては確かめようがありません。高まるドキドキ。とにかく現物を見てみなくては何とも言えないので冷や汗をかきながらひたすら次の日を待ちました。

当日の朝、スタッフが持って来てくださった荷をほどき、すぐに確認します。あれれ?大丈夫じゃないかな?会場入りしたBaoをすぐさまロックオン、片隅に連れ込んでごにょごにょごにょと概略を説明し、一緒に確認してもらいます。「ああ、これなら大丈夫でしょう」だよね。かえってソフトフォーカスがかかっているみたいでいいんじゃない?(^-^)/「解像度が低いって聞いたからいモザイクかけたみたいにギザギザになってるのかと思ったよー」私もかなり悪い想像をしておりました。ま、味のある画像という事で結果オーライでしょう。

その後、特にこれといった大きな校正箇所も見つからず、販売コーナーのシゲさんが「Rioさん、チャクチャクは着々と売れてますよぉ(^O^)/」と嬉しい報告をしてくださるのにホッと胸をなで下ろしておりました。本を買ってくださった皆さんが「サインしてください」と声をかけてくださいます。Baoが「ここはサインするスペースね♪」と裏表紙にサインしまくっていましたが、何しろ表紙はツヤツヤしてまして┐(´ー`)┌、しばらくするとサインが摩擦で消えてしまうという現象が起きました。サイン消えちゃった方々、謹んでお詫び申し上げます。次にお会いした時、内側に書き直しますので、たいへんお手数ですが本をお持ちになって声をかけてくださいませm(u_u)m。

会場や入り口に飾ったオオリンコ・チュウリンコは、ご来場の皆さんに代わる代わる着ては写真を撮っていただき、チャクチャクと共に素晴らしいデビューをさせていただきました。ファイナルパーティーではオオリンコ・チュウリンコをずっと着て参加してくださった方がいてまたまた感激。本当に本の出版が間に合ってよかったと思いました。

おかげさまで、ツイスターズ会期中は、とても幸せな時間を過ごしました。
次の本はちゃんと余裕を持って作らなくちゃ、と心に誓ったRio、はたして次の本「風船チャンス」では、この教訓が生かせるのでしょうか?

メイキングチャクチャクおわり。長文に最後までおつきあいいただいてありがとうございました。

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